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Turbo-EMBEE エコシステム 事業採択にあたって

西條 芳文
東北大学大学院
医工学研究科 教授
西條 芳文

東北大学大学院医工学研究科は、生体医工学を専門とする日本初の独立大学院として2008年4月に設置されました。医工学研究科は、医工学領域の学際的研究、課題探索・解決型の教育に加えて、産学連携による医療機器開発によって社会貢献の一端を担うことを重要なミッションと考えており、学外の方々に医工学の知識を高めていただく教育プログラムとして、2004~2018年度にREDEEM(医療工学技術者創成のための再教育システム)を開講し、2000名以上の様々なバックグラウンドの方々に受講していただきました。この経験を活かすとともに、社会情勢の変化も踏まえて、2019年度より技術者のための医学・医工学教育プログラムEMBEE(Education of Medicine and Biomedical Engineering for Engineers)を開講しております。EMBEEは臨床医学の各領域とその理解に必要な基礎医学を一つの講義にまとめ、機械、電気、マテリアルなどの工学の各分野の最新情報についてもご紹介していくプログラムです。実習につきましては、病院で実際に用いられている心電図、超音波診断装置、内視鏡装置、手術機器などの医療機器を使用体験していただくとともに、分子生物学から運動生理、精密加工、マイクロマシン、イメージプロセッシングなどの工学的手法に至るまで、広いバリエーションから選択していただけます。
このたび、令和7年度補正予算「産学連携リ・スキリング・エコシステム構築事業」補助金事業に「異業種からの医療機器・ヘルスケア参入を加速するTurbo-EMBEEエコシステム」が採択され、従来のEMBEEを拡充した教育プログラムを構築しました。
このプログラムは従来のEMBEEをコアコース:Core-EMBEEと位置づけ、受講科目の新設、実習内容の拡充を行っています。
また、リ・スキリングへの敷居を下げるため、いつでも気軽にオンデマンド教材を1科目から受講できるビギナーコース:Basic-EMBEEを新たに開設して受講者の裾野を広げ、自分の専門分野以外の知識・スキルを必要に応じてアドオンできる仕組みを構築しました。
東北大学では病院臨床研究推進センター(CRIETO)が司令塔となり医薬品、医療機器の製品化に向けた治験を推進しています。特にアカデミック・サイエンス・ユニット(ASU)では、新たに医療に参入しようとする企業の方に医療現場を見学していただいております。また、医工学研究科修士課程学生と医学系研究科博士課程学生が大学病院での医療ニーズを探索し、医療機器のプロトタイプ作製を行う医療機器開発実習も成果を上げています。
今回のプログラムでは、Core-EMBEE修了者等を対象とするアドバンストコース:Advanced-EMBEEを開設し、CRIETOでの実務研修、ASUでの臨床現場観察、医療機器開発実習での医療機器プロトタイプの作製などの取組を通じて、応用力・即戦力も養成します。
「EMBEE」には東北大学(旧制第二高等学校)の校章であったハチ(Bee)がE(Engineering)とM(Medicine)の間をつなげていくという意味も込められています。EMBEEが働きバチとなって身を粉にして働き、産学官等が連携したリ・スキリング・エコシステムの構築に貢献できれば光栄です。

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