3月22日 (土)・ 23日 (日) の両日、第19回トランスグレード実習講座「ウズラ胚の実体顕微鏡観察」を星陵キャンパスの医工学実験棟で対面開催しました。
トランスグレード高度教養教育は、中高生から社会人まで幅広い世代が学年の枠を越えて共に学び合う協働教育の試みで、今年度は 4つの実習講座を開講しました。3月は、ウズラの初期胚を実体顕微鏡を用いて観察する発生生物学の実習を行いました。ヒトと同じ恒温動物で2心房・2心室の心臓を持つ鳥類の身体が作られていく「発生」について、実物を見て学ぶ1日の実習講座です。
今回は中学2年生以上を対象に受講者を募集しましたが、青森・秋田・岩手・栃木・東京・愛知など宮城県外からも多くのお申込みがあり、2日間で 36名に受講いただきました。内訳は、中学校 9校・高等学校 10校から生徒 23名・理科教員 3名、高等専門学校・他大学の学生 2名、本学の学部学生・大学院生・教職員 5名、学外の社会人 3名で、10代から50代まで様々な年齢層の受講者が一緒に同じ実験課題に取り組みました。
実習ガイダンス・基礎知識の講義の後、6名の小グループに大学院生 1名が TA として付き、孵卵開始から 2日目・4日目・8日目のウズラの有精卵から胚を取り出して、実体顕微鏡を下で観察・解剖しました。卵の中で細胞が分裂して胚がどんどん大きくなるだけでなく、細胞が分化することで神経管や体節が現れて将来心臓になる管が拍動しはじめ、脳・神経系や顔面の形成が進み、胸や腹の中に心臓・肺・肝臓・消化管など種々の臓器が作られ、肢芽から前肢・後肢ができていく発生過程をご覧いただきました。昼食休憩時の交流会と実験後のグループディスカッションでは意見交換も行い、生命の神秘・いのちの尊厳に触れる体験を通した相互の学びを実践することができました。
本実習講座は、JSPS 科研費 JP24K06376 の助成と特定非営利活動法人 REDEEM からの寄附により開催したものです。
動物実験教育研修計画 承認番号:2024医工教-001
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本件に関するお問い合わせ先:
医工学研究科社会人技術者再教育プログラム推進室 沼山 恵子
TEL:022-718-5903
E-mail:num*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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・発生生物学実習と交流会の様子