【発表のポイント】
●東北大学と株式会社多磨バイオは、人工合成生体膜を用いた脳挫傷、脊髄損傷、脳梗塞後の神経機能回復を目指す共同研究を、新たなステージへ進展させます。
●動物実験では、脳梗塞モデルを含む研究で神経機能回復に関する有望な成果が得られ、新たな治療法開発につながる可能性が示されました。
●本研究成果に基づき、国内では組織再生治療用シートおよび再生治療方法に関する特許を取得しており、現在は国際特許を出願中です。
今後は、より臨床に近い動物モデルを用いて有効性・安全性を検証し、脳・脊髄損傷に対する革新的治療法の実用化を目指します。
【概要】
国立大学法人東北大学(所在地:宮城県仙台市)大学院医工学研究科(兼 医学系研究科)新妻 邦泰教授と株式会社多磨バイオ(本社:東京都武蔵野市、代表取締役:長尾 哲哉、以下「多磨バイオ」) は、『人工合成生体膜表面への、自家細胞組織の進展による革新的医療材料の開発』に関し、共同研究契約を2022 年 7 月1日に締結し、また2024年1月12日にはさらに研究内容をデバイス開発に向け進展させた『人工合成生体膜表面への、自家細胞組織の進展による革新的医療材料の開発』の共同研究契約を締結し、同研究を深化させて参りました。そしてこのたび、臨床試験の開始も視野に入れた新たなステージである『脳挫傷、脊髄損傷、脳梗塞後の神経機能回復における人工合成生体膜留置術の有用性検証』を開始する為、第3次となる共同研究契約を締結致しました。
脳梗塞モデルマウスによる動物実験では、損傷を受けた脳組織の修復に関して、多磨バイオの開発した人工合成生体膜による治療効果が得られ、神経機能回復に対する有効性を示す結果を得ることができました。これは、将来的に脳梗塞の治療方法の確立と、その治療デバイスの開発につながる大きな一歩であると考えております。
また当該結果を踏まえ、国内では脳神経組織を含む組織再生治療用シート、および再生治療方法に関する特許を2024年に取得しました。現在、国際特許を出願中です。
これらの新たなステージへ移行する進捗を踏まえ、東北大学と多磨バイオは、本共同研究をより臨床使用に向けた研究開発を実行すべく、第3次となる共同研究契約を締結致しました。本デバイスの有効性は、脳梗塞を含め脳・脊髄の様々な損傷ケースで示されることが予想されるため、よりヒトの臨床に近い動物モデルによる研究を実施します。実験においては、神経機能評価および組織学的評価を行うほか、生化学的、分子生物学的な評価の実施も想定します。
動物モデルでの有効性・安全性の評価後に、臨床試験を実施する予定です。臨床試験の実施には有効性はもとより安全性に関する慎重な検討が求められますが、本デバイスは合計6,000症例以上でヒトへの体内埋植実績を有するデバイスと同等の安全性を有すると見做すことができます。
脳梗塞、脳脊髄損傷といった疾病は、現在では有効な治療法が限られるため、患者の根本的なQOLの改善をはかることが難しい状況です。これらに対するブレークスルーとなる治療法を確立し、本デバイスを開発することを目指して、本共同研究を進めて参ります。
<多磨バイオについて>
設立:2016年4月
代表取締役:長尾 哲哉
事業内容:医療機器製造業/第一種製造販売業
デュラビーム🄬(クラスⅣ高度管理医療機器・人工硬膜)の開発・製造・販売
ペリビーム🄬(クラスⅣ高度管理医療機器・人工心膜用補綴材)の開発・製造・販売
その他の合成人工生体膜の開発・製造・販売
多磨バイオは、理化学研究所の高分子樹脂を特殊加工する技術を実用的な基盤技術とし、2016年4月に設立されました。多磨バイオはこれまで人工硬膜「デュラビーム🄬」(製造販売承認番号:22900BZX00291000、クラスⅣ高度管理医療機器)と人工心膜用補綴材「ペリビーム®」(製造販売承認番号:23000BZX00360000、クラスⅣ高度管理医療機器)の製造販売承認を厚生労働省より取得し、基幹となる特許を日本、アメリカ合衆国、中華人民共和国等で取得しております。また人工心膜用補綴材「ペリビーム®」は、アメリカ食品医薬品局(FDA)により2025年4月に製造販売承認され(510(k) No.K240775)、米国で販売開始しております。
「デュラビーム🄬」はグンゼ株式会社(本社:大阪市北区、社長:佐口 敏康)の連結子会社であるグンゼメディカル株式会社(本社:大阪市北区、社長:松田 晶二郎)など、「ペリビーム🄬」は株式会社JMS(本社:広島市中区、社長:桂 龍司)などが国内で販売しております。
多磨バイオは、人工硬膜「デュラビーム🄬」と人工心膜「ペリビーム🄬」に加え、よりクリティカルかつ高成果の見込まれる分野の人工臓器や再生医療技術の開発を推進しています。患者の失われた臓器の機能的代替物としてインプラント等の医療機器は世界中で進められていますが、臨床の現場では術後の感染症の問題、自己組織との癒着、経年使用による石灰化等の様々な有害事象が課題となっています。多磨バイオ製品は生体適合性が高く、その加工技術によりこれらの課題を克服し、継続して新しい開発製品を患者に届けることに取り組みます。
また多磨バイオは海外における薬事承認取得、国際事業提携構築などの国際展開も進めています。本共同研究により、両者は、その革新的な医療技術の成果を国内にとどまらず、全世界に対して展開することを目指して参ります。
<東北大学オープンイノベーション事業戦略機構について>
大学が核となり多企業が参画するイノベーションエコシステムB-U-B(Business-University-Business)モデルを形成し、社会的インパクトの大きいイノベーションを創出することを目的として2018年12月に設置されました。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/12/press-20181213-02-OI.html
【問い合わせ先】
東北大学オープンイノベーション事業戦略機構
TEL: 022-718-0350
e-mail: oi-shien@grp.tohoku.ac.jp
株式会社多磨バイオ
TEL: 0422-53-5051
担当:溝口
e-mail: m.mizoguchi@tamabio.com

