超音波診断技術全般に関する研究を行っている。特に,従来の超音波断層像による定性的診断に加え,粘弾性特性など,生体組織・器官の様々な特性を計測して定量的診断を可能とすることを目指している。そのために必要な,超音波音場制御法,超音波計測法,ディジタル信号解析技術の研究開発を通して,深い工学的専門知識と問題発見能力・問題解決能力および医用応用のために必要な生理学などの医学的知識の両者を兼ね備えた人材を育成している。
生体とエレクトロニクスのインターフェイスにはセンシング技術が欠かせない。生体関連物質について迅速かつ信頼性の高い分析・診断を行うためには,特定の分子・イオンを高感度に検出・定量・可視化するセンサが必要である。本分野では,半導体デバイスを用いた化学物質の計測とイメージングに関する研究を行っている。また,これらの技術を用いた,生物や生体関連物質の計測に関する研究を行っている。
遺伝子産物としてタンパク質はさまざまな生命現象を担っており,疾病の解明においても重要な鍵となるものである。タンパク質の機能はその立体構造と大きな関わりがあり,タンパク質の立体構造の解明はその機能の解明にとっても本質的重要性をもつ。我々はタンパク質に代表される生体分子の機能をX線結晶構造解析,質量分析,分子分光法などを用いて,その立体構造から理解することを目指している。
PETやSPECTに代表される核医学画像,放射線を利用した画像は診断や治療に欠かすことのできないものとなっている。しかし,現状では,画像の持つ一部の情報しか使われていない。本分野では放射線を利用した画像データから有益な情報を抽出し,高度利用を図る研究を行う。
本研究分野は、生命科学、医学、工学の融合領域に位置し、社会の重要課題である神経・精神疾患の病理・病態の解明に貢献するため、生体内外の多様な信号を同時に測定・操作できる多機能ファイバー技術の研究開発を行っている。多機能ファイバーは、「金太郎飴」の製法に類似した熱延伸技術を活用することで、一本の細いファイバーの中に光導波路のみならず、電極、微小流路、バイオセンサー、アクチュエーターといった多様な機能を集積することが可能となる。開発した多機能ファイバーは、神経・精神疾患に関する基礎研究に貢献するだけでなく、新たな診断・治療法としてのヘルスケア・医療応用にも展開している。
多機能ファイバ
研究概要