本研究分野では、主に心血管系組織の三次元イメージング、高精度自動組織診断、血液の流れの解析などを、超音波やCT(コンピュータ断層法)、MR(I 磁気共鳴画像)などのデータを用い、独自の信号解析・画像解析を行うことで実現しています。また、高周波数の超音波でナノレベルの解像度を実現した超音波顕微鏡の開発により、心血管系以外にも、腎臓、肝臓、前立腺、腱、軟骨、骨、歯など身体の中のさまざまな組織や生きた細胞のイメージングを実現し、各種病態をバイオメカニクス的な視点から解析しています。
体に大きな傷をつけずに治療・診断を行うための、光を用いた技術を応用・開発することを目的に研究を行っています。生体組織の光学特性を解明するとともに、さまざまなレーザ光を用いた治療装置や、内視鏡と光学機器を組み合わせた診断システムなどについて研究・開発を行っています。
2017年10月20日開催サイエンスカフェ「見えない光で健康検査~くちびるで血糖値チェック~」
リモートラマン分光イメージング用中空光ファイババンドル
レーザアブレーション中の熱画像
ナノ精度機械加工等の高度な“ものづくり”技術を基盤として、スマート機能性インターフェース創成技術の創出と科学的解明、並びに医療応用を視野に入れた実用研究を産学連携体制のもとで行っている。
マイクロマシニング,ナノテクノロジー,MEMS(微小電気機械システム)技術などの微細加工技術を駆使して,小さく高機能,多機能な内視鏡やカテーテル,手術器具などの低侵襲医療機器を開発し,近い将来に役立つ実用的な医療機器の開発を行うとともに,長期的には体内からのロボット外科手術,マイクロサージェリーの実現を目指しています。この実現のために,マイクロセンサ,マイクロアクチュエータなどの運動機構,これらを一括で低コストに組み立てる技術開発を行っています。また,これらの微細加工技術をヘルスケア(健康管理)用途に活用し,広く役立つ新しい測定項目およびその手段を実現するとともに,体表に装着して用いることができる薄く軽いウェアラブルヘルスケア機器の開発を行っています。さらに,血管や脳などマイクロセンサを搭載した臓器モデルを開発し,医師の手術トレーニング,医療機器開発における安全性および効果の評価に役立てることを目指しています。
(研究例)
現代社会の環境の悪化は、地球温暖化だけではなく我々の体や精神も確実にむしばみつつある。小児ぜんそくやアレルギーの増加、学童期の自閉症の増加、若年性糖尿病の増加が世界中で見られ、未来への警告とし無視できない段階に達している。最近、これらの疾患の多くの部分が、ジャンクフードの過剰摂取やストレスをはじめとする妊娠中の母体を取り巻く住環境の悪化が原因であることが解ってきた。本研究室では、母体の環境と胎児の病気の関係を臨床研究やマウスを用いた動物実験,遺伝子解析などを通して解明し、複雑系システム工学を駆使して母体から得られるかすかな胎児情報を計測、制御する近未来の医療工学を探る。
2016年10月21日開催サイエンスカフェ「産まれる前から心電図~胎児心電図を病室内で測れるようにする~」
世界で初めて胎児生体電気信号を抽出することによる胎児心拍数モニタリング装置を開発し、2018年7月より発売が開始されました。この装置を用いることで高精度な胎児モニタリングか可能になります。