生体流動システム医工学

生体流動システム医工学講座では,血液循環系など生体内の複雑な流動システムの理解に基づく,循環系疾患のメカニズムの解明やその予防及び治療法の確立のため,流体力学的視点と生物学的視点の両面からの教育・研究を行います。このため,生体流動システム医工学講座には以下の分野を設置しています。

融合シミュレーション医工学

実験計測とシミュレーションの融合による生体内流動現象の解明

  • 准教授 船本 健一 准教授 船本 健一

疾患の治療・予防技術の革新には,生体恒常性のメカニズムや疾患の発症・進展に関与する生体内現象の解明が必要不可欠である。本研究分野では,時空間変化する生体内環境に対する個々の細胞の応答や,細胞-細胞と細胞-周囲組織との相互作用を解明し,それらを操作することを目的に研究を行っている。流体工学を基盤として生体工学や細胞生物学を融合した学際的な研究に取り組むことで,その素養を培う。

  1. 生体内微小環境を再現するマイクロ流体デバイスの開発
  2. 環境因子に応じた細胞群の動態と相互作用の解析および制御
  3. 計測融合シミュレーションによる生体機能の解明と医療応用
生体内の微小環境を再現するマイクロ流体デバイスとその内部に形成した微小血管網の顕微鏡画像

生体内の微小環境を再現するマイクロ流体デバイスとその内部に形成した微小血管網の顕微鏡画像

医用流動工学

治療工学を通した生体の構造と機能の解明

  • 教授 太田 信 教授 太田 信

本研究分野では,治療に直接役立つ新デバイスの開発と,新デバイスの性能評価法の確立を目指した研究を行っている。これらを通じ,生体の構造と機能を学ぶことができると考える。中でも血流および血管は身体を維持するために最も重要と捉え,脳動脈瘤の発見,診断,治療に寄与する医工学を展開し,生体環境や構造の再現に向けて,実験とコンピュータシミュレーション技術を礎に,国内外との積極的な共同研究を行い,重点的に取り組んでいる。

  1. 生体高分子材料を用いた血管モデル,口腔粘膜,骨モデルの研究開発
  2. 血流・治療のコンピュータシミュレーション
  3. 医療現場での血流測定法の開発
  • 脳動脈瘤および脳動脈の形状と力学的機能を再現した血管モデル

    脳動脈瘤および脳動脈の形状と力学的機能を再現した血管モデル

  • ステントを留置したときの脳動脈瘤付近の血流の様子

    ステントを留置したときの脳動脈瘤付近の血流の様子

  • 研究室の様子