金属材料の構造およびその形態を,冶金学に基づくプロセスを用いて制御することにより,生体適合性・生体機能性に優れる新しい医用金属材料を開発する。急冷凝固法等の非平衡プロセスを用いたナノ構造・非晶質化によって構造を制御し,新奇な機械的特性を呈する新しい医用金属を見出す。また,脱成分法等の改質プロセスを用いた無毒・多孔質表面化によって表面形態を制御し,既存または最新医用金属材料の更なる生体適合性の改善に貢献する。
人類社会の持続的発展のために必要不可欠な新規な高機能生体用金属材料の研究開発を行っている。具体的には,人工関節やステントに使用されるCo基合金やTi基合金を対象として,加工熱処理や電子ビーム積層造形をはじめとした最新鋭の加工プロセッシングによって材料内部に起こる組織変化を系統的に調査・解析し,特性との関係の体系化を目指す。また,計算機シミュレーションを駆使して,最も優れた特性を引き出す組織形成のための加工プロセスの確立と特性発現メカニズムの解明にも取り組んでいる。
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電子ビーム積層造形で製造したCo-Cr-Mo合金製人工膝関節
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電子ビーム積層造形で製造したCo-Cr-Mo合金製人工膝関節