医療機器創生医工学

医療機器創生医工学講座では,臨床的課題を最先端の工学技術で解決する医療機器の創成・開発に臨床応用に関する教育研究を行います。このため,医療機器創生医工学講座には以下の分野を設置しています。

生体機能創成学

「生体に優しい」ものづくり:生体機能性インターフェースの創成

  • 准教授 水谷 正義 准教授 水谷 正義

ナノ精度機械加工等の高度な“ものづくり”技術を基盤として,スマート機能性インターフェース創成技術の創出と科学的解明,並びに医療応用を視野に入れた実用研究を産学連携体制のもとで行っている。

  1. ハイドロキシアパタイト膜形成による革新的歯科治療法
  2. 生体親和表面の創成
  3. バイオミメティック表面の創成等
  • パウダージェットデポジション法を利用したハイドロキシアパタイト膜形成による革新的歯科治療法

    パウダージェットデポジション法を利用したハイドロキシアパタイト膜形成による革新的歯科治療法

  • 生体親和表面の創成(生体活性機能の付与)

    生体親和表面の創成(生体活性機能の付与)

  • バイオミメティックな発想での表面機能創成(材料表面の濡れ性の制御)

    バイオミメティックな発想での表面機能創成(材料表面の濡れ性の制御)

ナノデバイス医工学

マイクロ/ナノテクノロジーが創出する次世代医療機器

  • 教授 芳賀 洋一 教授 芳賀 洋一

マイクロマシニング,ナノテクノロジー,MEMS(微小電気機械システム)技術などの微細加工技術を駆使して,小さく高機能,多機能な内視鏡やカテーテル,手術器具などの低侵襲医療機器を開発し,近い将来に役立つ実用的な医療機器の開発を行うとともに,長期的には体内からのロボット外科手術,マイクロサージェリーの実現を目指している。この実現のために,マイクロセンサ,マイクロアクチュエータなどの運動機構,これらを一括で低コストに組み立てる技術開発を行っています。また,これらの微細加工技術をヘルスケア(健康管理)用途に活用し,広く役立つ新しい測定項目およびその手段を実現するとともに,体表に装着して用いることができる薄く軽いウェアラブルヘルスケア機器の開発を行っている。さらに,血管や脳などマイクロセンサを搭載した臓器モデルを開発し,医師の手術トレーニング,医療機器開発における安全性および効果の評価に役立てることを目指す。

(研究例)

  1. 外径125μmの極細径光ファイバ圧力センサ
  2. 高度な内視鏡手術を可能にする折れ曲がり変形内視鏡
  3. 管腔内挿入MRI(核磁気共鴫イメージング)プローブ
  4. 皮膚貼付型生体成分計測パッチ など
  • 極細径光ファイバ圧力センサ(外径125μm)

    極細径光ファイバ圧力センサ(外径125μm)

  • 腹腔内手術用変形型内視鏡(外径5mm)

    腹腔内手術用変形型内視鏡(外径5mm)

  • 皮膚貼付型生体成分計測用微小流路付金属針と流路断面(針外径200μm)

    皮膚貼付型生体成分計測用微小流路付金属針と流路断面(針外径200μm)

医用イメージング

先進的データ収集・解析による生体組織のイメージング

  • 教授 西條 芳文 教授 西條 芳文
  • 特任教授 永富 良一 特任教授 永富 良一

本研究分野では,主に心血管系組織の三次元イメージング,高精度自動組織診断,血液の流れの解析などを,超音波やCT(コンピュータ断層法),MR(I 磁気共鳴画像)などのデータを用い,独自の信号解析・画像解析を行うことで実現している。また,高周波数の超音波でナノレベルの解像度を実現した超音波顕微鏡の開発により,心血管系以外にも,腎臓,肝臓,前立腺,腱,軟骨,骨,歯など身体の中のさまざまな組織や生きた細胞のイメージングを実現し,各種病態をバイオメカニクス的な視点から解析している。

  1. 心血管系組織の三次元イメージングおよび高精度自動診断
  2. 心血管系の血液の流れの解析
  3. 高分解能生体イメージングのための超音波顕微鏡の開発
  • 左上:左心室内の血流ベクトル,右上:指紋の三次元超音波像,左下:冠動脈の超音波顕微鏡像,右下:生きた細胞の超音波顕微鏡像

    左上:左心室内の血流ベクトル
    右上:指紋の三次元超音波像
    左下:冠動脈の超音波顕微鏡像
    右下:生きた細胞の超音波顕微鏡像

医用光工学

低侵襲治療・診断の実現を目的とした生体への光学技術応用

  • 教授 松浦 祐司 教授 松浦 祐司

体に大きな傷をつけずに治療・診断を行うための,光を用いた技術を応用・開発することを目的に研究を行っている。生体組織の光学特性を解明するとともに,さまざまなレーザ光を用いた治療装置や,内視鏡と光学機器を組み合わせた診断システムなどについて研究・開発を行っている。

  1. 医療診断のためのリモート分光・イメージングシステム
  2. レーザ医療用光ファイバ・伝送システム
  3. X線・紫外光・テラヘルツ波用光ファイバ

2017年10月20日開催サイエンスカフェ「見えない光で健康検査~くちびるで血糖値チェック~」

  • リモートラマン分光イメージング用中空光ファイババンドル

    リモートラマン分光イメージング用中空光ファイババンドル

  • レーザアブレーション中の熱画像

    レーザアブレーション中の熱画像

近未来生命情報工学

発生の場からみた生命の解明と生命情報工学への応用

  • 教授 齋藤 昌利 教授 齋藤 昌利
  • 講師 笠原 好之 講師 笠原 好之

現代社会の環境の悪化は,地球温暖化だけではなく我々の体や精神も確実にむしばみつつある。小児ぜんそくやアレルギーの増加,学童期の自閉症の増加,若年性糖尿病の増加が世界中で見られ,未来への警告とし無視できない段階に達している。最近,これらの疾患の多くの部分が,ジャンクフードの過剰摂取やストレスをはじめとする妊娠中の母体を取り巻く住環境の悪化が原因であることが解ってきた。本研究室では,母体の環境と胎児の病気の関係を臨床研究やマウスを用いた動物実験,遺伝子解析などを通して解明し,複雑系システム工学を駆使して母体から得られるかすかな胎児情報を計測,制御する近未来の医療工学を探る。

2016年10月21日開催サイエンスカフェ「産まれる前から心電図~胎児心電図を病室内で測れるようにする~」

  • 世界で初めて胎児生体電気信号を抽出することによる胎児心拍数モニタリング装置を開発し、2018年7月より発売が開始されました。この装置を用いることで高精度な胎児モニタリングか可能になります。

    世界で初めて胎児生体電気信号を抽出することによる胎児心拍数モニタリング装置を開発し、2018年7月より発売が開始されました。この装置を用いることで高精度な胎児モニタリングか可能になります。