研究科長メッセージ

厨川 常元

医療現場でのニーズを
工学シーズを駆使して先進的医療技術や医療機器を創出するとともに
国際展開できるイノベーション人材を育成します

東北大学 大学院 医工学研究科
研究科長・教授
厨川 常元

日本の人口は、現在、減少しはじめているということをご存じでしょうか?国の予想では2050年には1億人を切り、2100年には4800万人になるとしております。しかもその1/3以上が65歳以上の老年人口となるのです。我々はこのような超高齢化社会の到来に向けて、健康で豊かな生活を送るためには何が必要か、また解決すべき技術課題は何かを、今のうちからバックキャスト的発想で考えていかなければなりません。

“医工学”はその答えの一つを導こうとしています。すなわち、医療という“サービス”を具現化するための診断装置、治療装置の開発を工学のシーズを駆使して製品化し、社会実装するということです。これまで医工学研究科では、医療・福祉における社会的ニーズを視野に入れた研究課題を新たに設定し、独自の発想で展開解決してきました。さらにそのような研究能力を元に、将来にわたって自己啓発をしながら、リーダーとして広い視野から研究開発の指導・推進ができる人材を育成して参りました。

本学の医工学研究科は、我が国初の医工学研究科として平成20年4月1日に誕生し、今年、10年目を迎えます。その間、多くの修了生を世に輩出するとともに、学生からのフィードバックを取り入れ、教育内容を積極的に改善して参りました。医学・生物学の知識が乏しい工学系出身者に対して、分子レベル・細胞レベル・臓器レベルの医学を体系的に学べる授業群を、前期課程の第1セメスターに集中させ、分子生物学実習・生理学実習・病院見学等、医学的なニーズを初期段階で徹底的に学習させます。一方、医学・生物系出身者は、工学系基礎科目を履修することにより、革新的な医療機器開発に取組む素養を身につけることができます。

本研究科は、これからも医工連携を強力に推進する体制を充実させるとともに、国際的にも異分野の研究者との積極的な交流を通して自然現象の原理を追求し、人類の健康に貢献する技術を創出して参ります。皆様には、今後ともご支援ご鞭撻をどうか宜しくお願い致します。

(平成29年4月)